罪滅ぼしの歌

わたしは、友達がいない。

なんで、友達がいないのかというと、一番の理由は、暴言を言うからだと思う。


意見や、価値観があわないと、

暴言を言ってしまう。


友達に、はじめて暴言を言ったのは、大学2年の時だ。


よく、一緒に授業を受けて、一緒にお昼ご飯を食べていた、女の子の友達。


その子は、いつも、自分の家族の話をしてくる子だった。

こないだ、両親と、外食したの。とか、日曜日、お兄ちゃんと、映画観に行くんだ。とか

何気ない会話の中に、よく家族が登場していた。


最初は気にならなかったけど、

だんだん、イライラするようになってしまった。


わたしのダメなところは、

イライラするのを我慢して、付き合ってしまうところだと思う。


イライラするようになっても、お昼ご飯を誘われたら一緒に食べていた。


我慢しすぎて、ブチギレてしまった。

あんたの家族自慢なんか、気持ち悪いから、聞きたくないよと言ってしまった。

その子は、ひどくオロオロして、困っていた。

そりゃ、そうだ、、突然きれたんだから。

申し訳ないなと、10年以上たった今でも、思い出す。


暴言を言うと、その後2週間くらい、ひどく落ち込んでしまう。


でも、わたしは、未だに、暴言を言ってしまってる。 頻度は、20代の頃に比べたら、かなり少なくなったけれど。


いちばん最近に暴言をいったのは、

去年の10月、タケウチさんと言う人に、ラインでメチャクチャ暴言を言って、ブロックした。


わたしは、すごく落ち込んで、しばらく何にもしたくなかった。


でも、その後、しばらくして、ライブをやったとき、タケウチさんが、ふらっと観にきてくれた。


わたしは、ものすごい冷や汗を、かきながら、

タケウチさんに、暴言を言ってすみませんでしたと言った。

そしたら、いーのよ、いーのよと、ヘラヘラ笑ってて、

あんたは、それで、いーのよとヘラヘラ笑ってた。

ライブのとき、メイデンを歌ってたときに、チラッとタケウチさんをみたら、

なんか、いっしょに、合唱して拳をふりあげてくれていた、、、


わたしは、それ以来、時々、タケウチさんのことを思い出すようになり、

あんたは、いーのよとヘラヘラ言ってたのを、時々思い出すようになってしまった。


わたしが、暴言を言って、ヘラヘラ笑って許してくれたのは、

タケウチさんと、無善寺のマスターだけな、気がする。


なので、タケウチさんと、無善寺のマスターは、わたしの中では、かなり、評価が高い人物となっている、、



わたしは、暴言言われたとき

あんたはいーのよ、と笑って言えるだろうか?


たぶん、100年経っても、無理だろう、、


その後、高円寺の夜市を覗きにいったら、酔っ払って出来上がってるタケウチさんに遭遇した。


タケウチさんは、わたしに、その辺のフリマで売ってた、カッパのブローチを買ってくれて、


あんたはねー、それでいいのと笑って言って、

あんたはねー、あんたの歌で、あんたの罪滅ぼしを、すれば、それでいーのと、言ってた、、


わたしは、そうかぁと思って

帰りの電車の中で、タケウチさんや、いろんな人に言った暴言の罪滅ぼしを、しばらく、やろうかなと思った。