怖い体験の話
去年、うちにあるベースを、知り合いに頼んで修理してもらった。
うちにあるベースは、
けっこう前に、ヤフオクで中古で買ったものだけど、
だんだん電気系統の調子が悪くなってきて、
音が出なかったり、ノイズが発生したりするので、
時々、接点復活剤を使ったりしていたけれど、
やっぱり調子が悪いので、きちんと修理できる人に預けてみたんだ。
そしたら、ちゃんと修理してもらって、音もきれいに出るようになったんだ。
修理してくれた人 (新宿ルートの関口さん)が、ベースの本体の中に、謎の写真が入っていたよと、言って、わたしにその写真を渡してくれたんだけど、
その写真は証明写真で、
坊主頭の、20代後半くらいの男性が、写っていた。
証明写真の裏には、なぞの単語が書かれていた。
関口さんは、「この、ナントカって言葉、検索したら、今は活動してないパンクバンドがでてきたから、そのバンドの人の写真だと思う」と言っていた。
わたしは、ベースがちゃんと治って良かったなと思ってたけど、
写真がベースの本体に入っていたことを知ったら、なんだか急に怖くなって、気味が悪くなってしまい、
それ以来、ベースは、しまってある。
なんだろう、その写真からは、怨念めいたものを感じてしまった。
その写真は帰り道に駅のゴミ箱に捨てたけど。
楽器の中に、バンド名を書いた証明写真を入れるって、相当、楽器を手放したくなかったのかもしれない。
バンドが解散して、なにか事情があって、止むを得ず、ヤフオクで売ったのかもしれない。
わたしは、そのベースが、初めて自分のお金で買った楽器で、
そのベースがあったから、色んな経験ができたけど、
やっぱり、急に怖くなって、せっかく治してもらったのに、しまったままにしている、、
証明写真に映ってた男性は、ふつうの人っぽかったけど、
ときどき、思い出してしまう、、
あの時や、あの時も、わたしが一生懸命、ベースを弾いてる時、練習してるとき、背中に背負ってスタジオへ向かってるとき、いつも、ベースの中にあの人がいたんだ、、
わたしは、霊感とか、全然ないし、ユーレイも見たことがないし、けっこう鈍いので、怖い体験はしたことがないけれど、
この、「ベースの中に知らない人の写真が入っていた事件」は、かなり怖かった。
なんというか、
楽器に、好きなステッカーを貼っているみたいに、目に見える部分に、写真が貼ってあったのなら、怖くなかった。
目に見える部分に貼ってあったら、すぐ気付いて、捨てて、気に留めなかったと思う。
きちんと修理ができる人じゃなければ、見つけられない場所に、バンド名と一緒に入っていたことが、怖かった。
約12年くらい、写真の人が入ってるベースと一緒に暮らしていたので、
本当に怖かったです。
わたしは、そんなに楽器にこだわりはないし、
必要ないと思ったら、割とすぐ手放したりしてるので、余計に怖かった。
ベースを弾いてた時に、なにか心霊現象があったかというと、背負って歩くと肩がこる以外は、特に何もなかったので、よかった。